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集客効果を最大化する、QRコード付きポスターの作り方

2025年6月2日 (最終更新 2025年6月21日)

QRコード付きポスターの作り方

目次

オンラインへの誘導に不可欠な、QRコード付きポスターの重要性

スマートフォンが普及し、QRコードが手軽なオンラインへのアクセス手段として定着しました。同時に、視覚的な訴求力と広範囲へのリーチ力を持つポスター広告も、依然として重要な情報伝達ツールです。これら二つの融合により、オフラインでの接点をオンラインの顧客行動へ効果的に誘導することが可能になりました。

QRコード付きポスターは、従来のポスター広告の制約を超え、詳細な商品情報やキャンペーン、動画コンテンツなど、多様なオンライン情報へスムーズにユーザーを導く画期的なツールです。

さらに、バリアブル印刷とQRコードの組み合わせは、最新のマーケティング手法として注目されています。バリアブル印刷は、一枚ずつ異なる情報を印刷できる技術であり、顧客データや地域情報に基づいた個別最適化が可能です。これにより、ターゲット層に合わせたパーソナライズされた情報提供が実現し、より高い集客効果が期待できます

告知ツールとしてのポスターの品質を高めるには

QRコード掲載されたポスター

ポスターの視認性とデザインへの配慮

QRコード付きポスターの効果を最大限に引き出すためには、まずポスター自体の品質が重要です。

人々の目に留まり、興味を引くデザインでなければ、QRコードがどれほど効果的なリンク先を持っていたとしても、読み取られる機会は少なくなってしまいます。

色彩、フォント、イラストや写真のクオリティ、そして全体のレイアウトなど、視覚的な要素を即座に検討し、ターゲット層に響くデザインを追求する必要があります。また、遠くからでも情報が認識できるよう、文字の大きさや配置にも配慮が必要です。

目的に応じたレイアウト設計(店舗販促・イベント告知・交通広告)

ポスターの目的や掲示場所によって、最適なレイアウトは異なります。

  • 店舗販促: 商品の魅力が最大限に伝わるような写真やキャッチコピーを大きく配置し、QRコードは特典情報や詳細情報への導線として分かりやすい場所に配置します。
  • イベント告知: イベント名や開催日時、出演者などの基本情報を優先的に配置し、QRコードはチケット購入ページや公式サイトへの導線として目立つように配置します。
  • 交通広告: 短時間で多くの人の目に触れるため、簡潔でインパクトのあるキャッチコピーと、すぐに読み取れるように大きく配置されたQRコードが重要になります。

それぞれの目的に合わせ、情報の優先順位を明確にし、効果的なレイアウトを設計することが求められます。

可変QRコードを活用した、ターゲット別情報発信戦略

さらに、1枚1枚の紙に異なる内容を印刷できるバリアブル印刷を活用すれば、ポスターのデザインの一部やQRコードのリンク先をターゲット層に合わせて変更することが可能です。

参考記事:バリアブル印刷とは?事例・仕組み・費用・注意点を徹底解説

例えば、年齢層別に異なるキャンペーン情報をQRコードに紐付けたり、地域ごとに異なる店舗情報を表示させたりすることができます。これにより、よりパーソナライズされた情報提供が可能となり、ターゲット層への訴求力を高めることができます。

最適な用紙・サイズの選定

屋内・屋外での耐久性を考慮した紙選び(コート紙・ユポ紙・ラミネート加工)

ポスターの掲示場所や期間によって、最適な用紙は異なります。

  • コート紙: 光沢があり、発色が良いため、美しいポスター印刷に適しています。屋内での短期間の掲示に適しています。
  • ユポ紙: 合成樹脂を主原料とした紙で、耐水性、耐久性に優れています。屋外での掲示や、水に濡れる可能性のある場所での使用に適しています。

掲示場所の環境やポスターの掲示期間を考慮し、最適な用紙と加工を選択することが、ポスターの品質を保ち、QRコードの可読性を維持するために重要です。

掲示場所を考慮したサイズ選び

ポスターのサイズは、掲示場所や訴求したい内容によって適切なものが異なります。

ポスターサイズとして一般的なのは、A2(420×594mm)やA1(594×841mm)といった大判サイズです。このサイズであれば、共通のQRコードを付ける場合でも十分な視認性を確保でき、問題なく印刷が可能です。

ただし、QRコードのサイズ設定には注意が必要で、掲示する場所や見る人との距離を想定し、読み取りやすさを損なわない範囲で「大きすぎず、小さすぎず」を意識することが大切です。

一方で、前述の「バリアブルQRコード」を用いてひとつひとつ異なる可変QRコードを埋め込む場合には、A2やA1といった大きなサイズの場合、印刷コストに注意が必要です。特にロット数が100部未満の場合、可変印刷のコストが大きくなってしまう傾向があります。

そのため、予算や配布方法によっては、大判サイズにこだわらず、A3やA4サイズで制作するのが現実的な選択肢になる場合もあります。A3/A4はサイズ掲示スペースを取らず、コストも抑えやすいため、少部数印刷に適しています。

もし小部数のA2/A1サイズのポスターが必要な場合も、可変QRコード部分だけを別紙(シールなど)で印刷し、配布時に貼り付けるという方法もあります。

私たちQR・可変印刷ラボのバリアブル印刷サービスでは、このように、目的や予算に応じた柔軟な設計で、効果とコストのバランスを最適化するご提案をさせていただいております。

なお私たち高山印刷では、一般的なA版サイズを超えて視認性も訴求力も高い「長尺ポスター」の印刷も得意としております。バリアブルQRコードとの相性も抜群で、QRコードと組み合わせることで、街めぐりスタンプラリーなどのイベントにも最適です。

弊社で印刷した「温泉むすめ」の飛騨高山温泉のキャラクター「高山匠美」さんの等身大タペストリー(2種)が、高山市内で掲示されております。ご旅行で立ち寄られた際は、ぜひ見に来てくださいね!

必要に応じた表面加工

屋外の過酷な環境で長期間掲示するため耐紫外線・耐水が必要だったり、手で触るような仕掛けのものだったりする場合には、表面ラミネートフィルム加工を行う場合がございます。

ポスターの表面加工は、デザインの見え方だけでなく、QRコードの読み取りやすさにも影響を与える可能性があります。

  • 光沢ラミネート加工: 表面が滑らかで光を反射するため、写真やイラストを美しく見せる効果があります。ただし、強い光の下ではQRコードが反射して読み取りにくくなる場合があります。
  • マットラミネート加工: 表面が落ち着いた印象で、光の反射を抑えるため、文字が見やすく、QRコードも比較的読み取りやすい傾向があります。一般的に彩度が沈む傾向にあります。
  • 耐候ラミネート加工: 表面に耐候ハードコートをされたラミネートフィルムを貼ることで、インキの退色を防ぎます。

QRコードの読み取りやすさを考慮するのであれば、マット加工が比較的推奨されます。デザインの意図と読み取りやすさのバランスを考慮して、最適な仕上げを選択することが重要です。

QRコード読み取りへの導線

高い広告到達率を誇るポスターで、QRコードを十分に活かすには

多くの広告媒体がある中で、特に駅ポスターは通勤・通学客など不特定多数の目に触れる機会が多く、高い広告到達率を誇ります。

駅の雑踏を行き交う人々

JR東日本企画が公開している交通広告に関するデータブックのうち、「ユニット別広告効果」の資料によれば、駅ポスターの広告到達率は平均69.5%に上ります*。これは中吊り広告の平均43.3%と比べても大きく、魅力的な数値です。 

しかし、その視認性の高さを、実際にQRコードを読み取ってもらうという行動に繋げるには、駅特有のハードルが存在します。

多くの人が忙しく行き交う駅構内では、立ち止まってスマートフォンを取り出し、QRコードをスキャンするという一連の行動は、心理的にも時間的にも負担となりがちです。そのため、高い到達率が必ずしもQRコードの高い読み取り率に直結するわけではありません。

だからこそ、人が多く行き交う場所に掲示されることが多いポスターには、行動のハードルを理解した上で、QRコードを読み取ってもらうための戦略的な工夫が不可欠になります。そこで、ポスターにおけるQRコードの読み取り率を高めるためのポイントをお伝えします。

*出典)JR東日本交通広告「交通広告共通指標策定調査」による広告到達率

ポスター上のQRコード配置のポイント

QRコードの配置場所は、ユーザーの視線や行動を考慮し、最も自然でスムーズな読み取りを促せるように設計する必要があります。

  • 視線誘導デザイン(キャッチコピー・矢印・カラーコントラスト): QRコードが自然とユーザーの目に留まるように、キャッチコピーや矢印をあしらって視線を誘導する。背景色と周囲の色とのコントラストを強くする、など。
  • 読み取り率を向上させる行動喚起メッセージの工夫: 「今すぐスキャン!」「事前登録はこちら」「限定特典をゲット!」などのメッセージや、魅力的なインセンティブを配置。
  • スマホでの読み取り動作を考慮した配置: 立っている人が読み取りやすいよう、肩の高さから目線の高さの範囲内にQRコードを配置する。

印刷したQRコード自体の可読性

印刷されたQRコードが正しく読み取れることは、マーケティング効果を発揮するための大前提です。QRコードの印刷品質が低いと、読み取りエラーが発生し、ユーザーが離脱する原因になります。

QRコードの可読性を上げるサイズと余白 

QRコードに含める情報量に応じて、理想できにQRコードのサイズは異なります。

QRコードの情報量ごとの推奨サイズ
QRコードの情報量ごとの推奨サイズ

また、QRコードには必ず、少なくとも2~3ミリのマージン(余白)が必要になります。周りにマージンが無いと、デザインとQRコードの区別がつかなくなり、読み取りエラーとなってしまいます。

QRコードの印刷についてはさまざまな注意事項がありますので、以下の記事も併せて参考にしてみてくださいね!

サイズ・余白は大丈夫?QRコード印刷で失敗しないための万全ステップ!

カラーQRコードやデザインQRコードについての注意事項

カラーQRコードやデザインQRコードは、特に人目を惹きつけQRコードの読み取り率を高める方法として優れています。

QRコードの中心にイラストやロゴがあしらわれたデザインQRコード

一般的に、このようにQRコードの中心部にロゴやイラストを挿入する手法は、QRコードが持つ高い誤り訂正機能を利用し、データの一部が欠損しても読み取れる特性を活かしています。

全てのポスターに共通のQRコードデータを使う場合は、活用いただいて問題ありません。

しかしながら、1枚1枚に異なる情報が付与されて誤読が許されないバリアブル印刷の場合、こういったQRコードの利用は推奨されません。お気をつけください。

バリアブルQRコード付きポスターの活用事例

地域別・店舗別の情報提供やキャンペーン

地域や店舗ごとに異なるQRコードを印刷し、それぞれの地域や店舗に特化した情報やキャンペーンを提供できます。これにより、より地域密着型のマーケティングが可能になり、顧客エンゲージメントの向上に繋がります。

関連事例:コロプラ、『アリス・ギア・アイギス』で「リアルマルチーAEGiS合同指定任務ー」を開催

この人気スマホゲームのキャンペーンでは全国のアニメイト116店舗に116種類のデザインが異なる広告ポスターが掲示されました。

ポスターに記載された異なるQRコードからアクセスし、参加するとゲーム内アイテムがもらえるというインセンティブもあり、参加したくなる工夫も秀逸な事例です。

バリアブル印刷とQRコードの掛け合わせなら、このような「全国の店舗にそれぞれのQRコードがついたポスター」の制作も容易です。

多言語対応の情報提供

ポスターという限られたスペースでの多言語対応に優れた効果を発揮します。

掲示場所のターゲットとする国や地域に合わせて、複数の言語の情報をQRコードに紐付けることができます。これにより、インバウンド観光客向けのプロモーションなど、グローバルなマーケティング展開を効果的にサポートできます。

効果測定とデータ分析

バリアブル印刷で一枚ずつ異なるQRコードを生成し、それぞれの読み取り状況を追跡することで、どのポスターがどれだけの効果を発揮したのかをデータに基づいて分析できます。

これにより、今後のマーケティング戦略の改善に役立てることができます。

参考記事:QRコードでアクセス解析。印刷物の効果測定をする方法を徹底解説(GA4編)

まとめ

次世代のマーケティング手法として活用できる、効果的なQRコード付きポスターを制作するために、以下に、効果的なポスター制作のための最終チェックリストをご紹介します。

集客を最大化するQRコード付きポスター制作の最終チェックリスト

  • 目的の明確化: ポスターを通じて何を達成したいのかを明確にする。
  • ターゲット設定: 誰に情報を届けたいのかを明確にする。
  • QRコードの配置を意識したデザイン: デザインの一部として意識する。
  • 適切な用紙・サイズ: 掲示場所や期間に適した用紙とサイズを選択しているか。
  • QRコードの可読性: 十分なサイズと余白があり、正しく読み取れるか。
  • 最適な配置: ユーザーがスムーズに読み取れる場所に配置されているか。
  • 明確なCTAメッセージ: 読み取りを促す行動喚起メッセージが記載されているか。
  • バリアブル印刷の活用: ターゲットに合わせた情報提供や効果測定

QR・可変印刷ラボが、訴求力と集客力を高めるデザインと印刷設定の最適化をお手伝いします。

バリアブル印刷 x QRコードを活用した次世代のマーケティング手法で、差がつくポスターを制作してみませんか?

aida_tetsuya

この記事を書いた人

間(あいだ) / 高山印刷(株)東京営業所長

1999年入社時は当時里なMacに触れたくてDTPを担当し、2005年からは東京営業所長。 バリアブル印刷には初代オンデマンド印刷機導入時より20年近く携わっており、専門分野としてあれこれ知識を貯めてお客様に還元しています。