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ナンバリング印刷とは?仕組み・活用例・バリアブル印刷との関係を徹底解説

2025年9月29日 (最終更新 2025年10月6日)

ナンバリング印刷とは

目次

1. はじめに

ナンバリング印刷とは、チケットや伝票などに「連番やランダム番号」を印刷する技術のことです。印刷物1点ごとに異なる番号を付与できるため、不正防止や管理効率化に大きな効果を発揮します。これはバリアブル印刷(可変印刷)の代表的な活用例のひとつであり、シンプルながら幅広い場面で使われています。

本記事では、ナンバリング印刷の仕組みや種類、バリアブル印刷との関係性、さらに効果的な活用方法や依頼時のポイントまで徹底解説します。

2. ナンバリング印刷の基本とは

ナンバリング印刷は、1枚ごとに異なる通し番号やシリアル番号を自動的に割り振って印刷する仕組みです。

2−1. 主な使用例

座席番号入りチケットの例

印刷方式としては、少部数や小ロットに最適で自由度が高い「オンデマンド印刷」で制作されることが主流です。大量印刷向きで、安定した仕上がりの「オフセット印刷」でも、番号を自動印字する「ナンバリングユニット」と呼ばれる装置を取り付けることで、オフセット印刷でも可能な場合があります。

参考)オンデマンド印刷とオフセット印刷の違い|デジタル・バリアブル印刷との関係性も徹底解説

3. ナンバリング印刷の種類・バリエーション

ひとくちにナンバリング印刷といっても、連番・繰り返しナンバリング・親子ナンバリングなど多彩な形式があります。これらの種類と用途、特徴などを表にまとめました。

表1:ナンバリング印刷の種類・バリエーション

種類説明用途例特徴・メリット技術的な難易度
連番ナンバリング1から順に連続した数字を印刷チケット、伝票、整理券管理が容易で入場や数量管理に最適低(多くの印刷会社が対応)
ランダムナンバリング無作為の番号やシリアルを印刷抽選券、シリアルコード不正防止効果、ユニークな識別が可能高(データ作成や管理に専門性必要)
親子ナンバリングメイン番号+枝番号の複数階層形式製品ロット番号、伝票管理多階層で分類が可能高(複雑なデータ処理が必要)
繰り返しナンバリング同じ番号を一定数ごとに繰返し印刷クーポン券、セット商品グループ単位での管理が容易中(設定次第で複雑になる)
カラー・特殊書体ナンバリング色やフォントを自由にカスタマイズ高級チケット、限定商品デザイン性を高め差別化できる中(使用フォントや組み合わせで変動)

ナンバリング印刷と一口に言っても、さまざまな種類があります。

ナンバリング印刷は、複雑なデータ作成やチェック体制、ルール設定が必要となるため、特に「ランダムナンバリング」や「親子ナンバリング」といった高度な技術を要する種類では、一般的なネット印刷サービスでは対応が難しい場合が多いです。このような場合は、経験豊富な専門の印刷会社に依頼することが重要です。

4. バリアブル印刷とナンバリング印刷の関係

ナンバリング印刷は、バリアブル印刷の基本要素のひとつです。バリアブル印刷とは、宛名やバーコード、QRコードなどの可変情報を印刷物ごとに変えて出力できる技術を指します。

例えば、会員カードにQRコードを印刷すれば入退場管理が可能ですが、目視確認のためには「会員番号のナンバリング」も必要です。このように機械で読み取る情報+人間が見て確認できる番号を組み合わせることで、より実用的かつ安全性の高い管理が可能になります。

料金面では「ナンバリングのみ」より「ナンバリング+QRコード/バーコード」の方が単価は上がりますが、その分セキュリティやマーケティングの効果が大幅に高まります。

参考)バリアブル印刷とは?事例・仕組み・費用・注意点を徹底解説

バリアブル印刷の料金は高くなりがち?ナンバリングとQRコードの料金比較までわかりやすく解説!

5. ナンバリング印刷のメリット・利用シーン

ナンバリング印刷は、通し番号やシリアル番号を一枚ずつ印刷することで、「管理や識別の効率化」「不正防止」「イベントや販促への活用」「マーケティングや顧客管理」に大きなメリットがあります。

「万が一のトラブルやミス、不正」に備えつつ、効率的な業務・販促活動と、きめ細かな顧客アプローチを両立できる、さまざまな現場で価値のある印刷手法です。

以下にナンバリング印刷のメリットと利用シーンを表にまとめました。

表2:ナンバリング印刷のメリット・利用シーン

メリット業界利用例・具体例
管理や識別の効率化流通・物流出荷伝票やピッキングリストの通し番号で在庫管理・追跡が容易に。配送ミスや紛失防止に役立つ。
製造業製品ロット番号で製造日や工程を管理。品質管理やトレーサビリティに活用。
教育・行政試験の受験票、答案用紙に連番を振り、受験者管理と採点作業を効率化。
不正防止やセキュリティ強化イベント・イベント運営コンサートチケットの通し番号でコピーや偽造防止。入場者管理の精度向上。
小売・キャンペーン抽選券やクーポン券にランダムナンバーやシリアルコードを印字し、不正応募や重複参加を防止。
医療機関診察券、検査票に番号を振り、患者ごとの情報管理と誤認防止。
マーケティング効果の向上小売・流通ポイントカードやクーポン券に連続・個別番号を付与し、利用状況の把握やキャンペーン効果測定に活用。
イベント抽選券や参加券にナンバリング印刷を施し、参加促進と公平な抽選を実現。
飲食店・サービス業店舗ごとの番号管理や個別クーポン発行により、顧客リピート促進や販売データ分析に寄与。

ナンバリング印刷は、他のバリアブル印刷の要素と組み合わせるとさらに効果を発揮するため、QRコードと組み合わせるなど、活用シーンから逆算して検討してみるのもよいでしょう。

参考)クーポン券を作りたい!プロが教える作成ノウハウとデザインのコツ

簡易的な顧客管理で、リピート顧客を逃さない方法を考える

6. ナンバリング印刷を依頼するときのポイント

6−1. 開始番号の指定や桁数の確認が重要


希望する開始番号や桁数について明確に決めておき、その情報を印刷会社へ伝えることが肝心です。例えば、「0001から印刷してほしい」「5桁の連番で」などの指示は、後の管理や運用にも直結します。

例えば、メイン番号+枝番号の複数階層形式になっている「親子ナンバリング」などの複雑なルールや法則があるナンバリングでは、印刷会社と事前の共有やデータ形式の確認が必要になるでしょう。データ管理の面でも相談できる印刷会社を選びましょう。

6−2. 通し番号の管理が重要

ナンバリングによっては、抜けや重複がないことがとても重要なので、事前に番号のリスト作成や、印字順序の確認作業を入念に行いましょう。


場合によっては、追加部数を後日発注することになるかもしれませんし、何らかのトラブルで番号の照合を行う場面もあるでしょう。このような場合に備えて、番号の重複や抜けを出さないように印刷後もしっかりと管理する体制を整えておきましょう。

6−3. デザイン面でのナンバリング配置の注意点(ナンバリングボックスの例)

実際に番号を印刷する配置位置は、視認性やデザイン性にも影響します。ナンバリ
ングボックスの幅や縦横のスペース設計など、使い勝手や読みやすさを考慮してレイアウトすることが求められます。

6−4. 書体(フォント)やサイズの制限


書体(フォント)や文字サイズも事前打ち合わせが必須です。指定のフォントやサイズに対応可能かを、発注前に確認します。特に、印字スペースが限られている場合は、番号が正しく収まるかどうか、対応可能な書体の種類やサイズ制限などを確認しましょう。

QR・可変印刷ラボではモリサワフォント各種に対応しております。詳しい対応フォントは、「バリアブル印刷のフォント種類・サイズ・配置について」をご覧ください。

6−5. ナンバリング印刷の料金の目安と料金を左右する要素


料金の目安も把握しておくと安心です。ナンバリング入りの名刺やチケットなどは、部数やデザイン、可変要素によって価格が変動します。

表3:ナンバリング入りネームカードの例(参考価格)

参考価格単価
5種 計500枚40,000円約80.00円
5種 計1,000枚45,000円約45.00円
5種 計5,000枚96,000円約19.20円
5種 計10,000枚155,000円約15.50円

印刷ロットが大きくなるほど、単価は低くなる傾向にあります。一方で、データ管理や仕様の細かい調整は、部数が多くなる分複雑になる場合があります。発注後の管理や運用にも関わってきますので、プロのノウハウが不可欠です。

デザインの工夫でコスト削減が図れる場合もあります。例えばネームカードの前面にQRコード、裏面に管理用のナンバリングを施すような場合、両面がバリアブル印刷になるので、その分価格が割高になります。この場合は、可変部分を一面に収めるデザインに変更することで、費用が抑えられます。

いずれにしても、単純な印刷料金だけで決めるのではなく、データ管理やデザイン、運用の面でも相談に乗ってくれる、単純な印刷料金だけで決めるのではなく、データ管理やデザイン、運用の面でも相談に乗ってくれる、信頼できる専門業者を選ぶことが重要です。長期的な視点で見ても費用対効果が高く、実際の利用場面やその後の追加発注などにおいて、安心して任せられるパートナーとなるでしょう。

参考)バリアブル印刷があるデザインデータ入稿の注意ポイント
バリアブル印刷の料金は高くなりがち?ナンバリングとQRコードの料金比較までわかりやすく解説!

7. まとめ

ナンバリング印刷は、シンプルでありながら管理・不正防止・マーケティングに欠かせない重要なバリアブル印刷技術です。イベントチケット、クーポン券、伝票などあらゆるシーンで活用され、さらにQRコードやバーコードと組み合わせれば利便性とセキュリティを高められます。

デジタル印刷技術の進化により、多彩なデザインや小ロット対応も可能になった今、ナンバリング印刷は企業のビジネスを支える基盤ツールとなっています。

ナンバリング印刷は、多様なシーンで欠かせない管理・識別手段として重要な役割を果たします。そのため、ミスなく高品質に仕上げるには、豊富な実績と確かな技術力が必要不可欠です。経験豊富な専門業者に依頼することで、複雑なバリアブルデータの取り扱いや仕分け、封入・発送まで一括して安心して任せられます。 

ナンバリング印刷のご依頼は、20年以上のバリアブル印刷実績と600件以上の可変QRコード印刷を誇る「QR・可変印刷ラボ」に、ぜひお任せください。お客様のニーズに合わせた最適な仕様と柔軟な対応で、印刷物の成功をサポートいたします。

aida_tetsuya

この記事を書いた人

間(あいだ) / 高山印刷(株)東京営業所長

1999年入社時は当時里なMacに触れたくてDTPを担当し、2005年からは東京営業所長。 バリアブル印刷には初代オンデマンド印刷機導入時より20年近く携わっており、専門分野としてあれこれ知識を貯めてお客様に還元しています。