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券・カードの偽造を防ぐには?特色印刷・箔押しの効果と発注前の確認事項

2026年10月27日 (最終更新 2026年10月27日)

券・カードの偽造を防ぐには?特色印刷・箔押しの効果と発注前の確認事項

目次

シリアル番号やQRコードの入った券・カード・ラベルを発行するとき、番号の管理だけでなく、印刷物そのものをコピーされにくくする対策も検討したいところです。

特色印刷や箔押しは、一般的なコピー機・プリンターでは再現しにくい色や光沢を加える方法です。ただし、用途や確認方法によって、適した仕様は異なります。

本記事では、券・カードを発注する担当者に向けて、特色印刷と箔押しの仕組み、効果と限界、使い分け、発注前の確認事項を整理します。

1. 印刷でできる偽造防止には、どんな方法がある?

券・カードの偽造対策には、印刷や加工で複製を難しくする方法と、番号を隠したりシステムで照合したりして不正利用を抑える方法があります。ここでは、印刷そのものでできる対策として、特色印刷と箔押しを紹介します。

1-1. 印刷・加工で複製を難しくする対策

特色印刷は、あらかじめ調合したインキで指定色を印刷する方法です。選ぶ色やインキによって、一般的な4色印刷では再現しにくい色味や表現を加えられます。

一方、箔押しは、熱と圧力で金・銀などの箔を紙などの素材に転写する加工です。通常の印刷とは異なる金属光沢を加えられます。

どちらも、一般的なコピーでは再現しにくい特徴を、本物の確認要素にする方法です。

1-2. 特色印刷と箔押しを比較する

表1. 特色印刷と箔押しによる偽造対策の違い

比較項目特色印刷箔押し
仕組み調合したインキで指定色を印刷する熱と圧力で箔を素材へ転写する
コピーで再現しにくい理由選ぶ色・インキによって、一般的な4色印刷では再現しにくい箔特有の金属光沢を通常のコピーでは再現しにくい
見分けやすさ正規品の見本と色味を比較する光を当てたり傾けたりして光沢を確認する
向いている用途ブランド色や特定の色を確認要素にした券・カード・ラベル証明書、招待状、限定品・記念品など、加飾も兼ねたい印刷物

1-3. 印刷以外の対策も組み合わせる

印刷以外では、圧着・シール・袋への封入などで番号を隠す方法や、発行側のシステムで番号の有効性・使用状況を照合する方法もあります。

特色や箔押しは「複製しにくい印刷物を作る対策」、番号の秘匿や照合は「番号の流用・不正利用を抑える対策」です。役割を分けて考え、用途に応じて組み合わせましょう。

特色印刷と箔押しの仕組み・偽造防止の原理・用途の違い

参考記事:

箔押とは・箔の構造|村田金箔グループ

2. 特色印刷は、偽造防止にどこまで効く?

特色印刷とは、あらかじめ調合したインキで指定色を印刷する方法です。選ぶ色やインキによって複製のハードルを上げられますが、すべての特色がコピーで再現できないわけではありません。正規品の見本と比較し、確認する人が違いを判断できるようにすることが重要です。

2-1. 一般的な4色印刷と特色印刷の違い

一般的な4色印刷は、CMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)を掛け合わせて色を表現します。一方、特色印刷は、あらかじめ調合したインキを使います。

これにより、一般的なコピーでは再現しにくい印刷物にできますが、再現の難しさは、使用する特色の色味やインキの種類によって異なります。

2-2. 再現しにくい色や表現を確認要素にする

券面のロゴやマークに特色を使い、正規品を見分ける目印にします。色を決める際は、コピーで再現しにくく、確認担当者が違いを判断できるかを印刷会社と相談しましょう。

高山印刷では、特色インキを使った偽造防止のご相談も承っています。特色は正規品の見本と比べないと違いが分かりにくいため、受け取った方がその場で見分けられるようにしたい場合は、箔押しをおすすめしています。

2-3. 本物との比較と、確認する人の判断が必要

色の違いは、本物と並べないと気づきにくい場合があります。特色による確認は人の目に頼るため、運用方法も決めておきましょう。

  • 正規品の見本を用意する。
  • 券面のどの部分を比較するか決める。
  • 受付・販売・検品担当者へ確認方法を共有する。
  • 実物サンプルで見分けやすさを確かめる。

参考記事:

DICグラフィックス社、「DICプロセスカラーノート™ IJリスト」を新発売|DIC株式会社
特色とプロセス色を比較できる色見本帳が紹介されています。

3. 箔押しは、なぜ複製しにくい?

箔押しとは、熱と圧力で金・銀などの箔を紙などの素材へ転写する加工です。一般的なコピーでは再現しにくい金属光沢を加えられ、受け取った人が傾けて確認しやすい点が特長です。ただし、光沢だけで正規品と断定できるわけではありません。

3-1. 金属光沢を加える箔押しの仕組み

箔押しに使う金銀の「箔」は、フィルムに薄い金属層や着色層などを重ねた転写用の材料です。熱と圧力で必要な部分を紙などへ転写し、ロゴや模様に金属光沢を加えます。

この光沢は、通常のカラー印刷で金色・銀色に見せる表現とは異なり、一般的なコピーでは同じ見え方を再現しにくくなります。

参考記事:

箔押とは・箔の構造|村田金箔グループ
箔押しの仕組みと、転写に使う箔の構造が解説されています。

3-2. 光沢の違いを、本物の確認に使う

箔押しは、印刷物を傾けることで光沢の変化を確認しやすく、受け取った人が自分でチェックできる点が強みです。指定した箔の位置や模様を、正規品の見本と比べて確認します。

ただし、光っているだけで本物とは判断できません。一般的な金銀箔と、偽造防止用途の特殊箔・ホログラムは区別し、通常の箔押しだけで偽造を完全に防げるとは考えないことが大切です。

参考記事:

不可欠なセキュリティ機能を備えたカード|クルツジャパン
クレジットカードや会員カードなどに用いられる、署名箔やホログラムによる偽造・改ざん対策の具体例が紹介されています。

3-3. 小ロットで価値の高い印刷物への活用

箔押しは、加飾と複製対策を兼ねたい、次のような印刷物で検討できます。

  • 限定品・記念品に添えるシリアル番号入りカード
  • 証明書・認定証
  • 招待状・特別なチケット
  • 限定商品のラベル

たとえば、共通のロゴやマークを箔押しし、別途シリアル番号を可変印刷する組み合わせです。番号そのものを箔押しする場合は、対応可否を印刷会社へ確認しましょう。

参考記事:

メタリックカラーガイドとは | メタリックカラーガイド.jp
メタリック箔とホログラム箔の違いが解説されています。

4. 特色と箔押しは、どう使い分ける?

受け取った人が自分で見分けられるようにしたいなら箔押し、デザインの一部として複製のハードルを少し上げたいなら特色が選択肢です。どちらも完全な偽造防止を保証するものではないため、確認方法、素材、数量、予算に合わせて仕様を決めましょう。

偽造防止のための特色印刷と箔押し、使い分けガイド

4-1. 誰が、どこで、何を確認するかで選ぶ

特色と箔押しは、見た目の好みだけでなく、確認する人が現場で見分けられるかを基準に選びましょう。

特色は正規品の見本と色味を比べる方法、箔押しは指定部分の光沢を確認する方法が基本です。受付や販売の場で、どこをどう確認するかまで決めておきます。

4-2. 用途・素材・数量・予算で比較する

用途に加え、素材への加工適性や必要数量、予算も印刷会社へ伝え、仕様を検討します。

表2. 用途別に検討したい仕様と確認事項

用途例検討する仕様確認すること
チケット・引換券特色や箔による確認マーク受付で短時間に見分けられるか
会員証・認定証特色のロゴ、箔押しマーク素材への適性や耐久性
限定品・記念品箔押しと可変シリアル番号加飾と番号管理をどう組み合わせるか
商品ラベル特色や箔による確認部分容器に貼った状態でも確認しやすいか

4-3. シリアル番号・QRコードの管理と組み合わせる

印刷物の複製対策と、番号の有効性・使用状況の照合は役割が異なります。番号管理を含む運用設計は、大量のQRコードつきクーポン券の印刷・発注についての記事もご参照ください。番号の付け方はナンバリング印刷の記事で、印刷した番号やQRコードの検査はバリアブル印刷の検査技術の記事で紹介しています。

5. 発注前に、何を決めておけばよい?

発注前には、防ぎたい不正と、誰がどこを確認するかを決めておきましょう。そのうえで、素材、加工範囲、数量、納期、試作・見積もりの条件を印刷会社と確認します。

5-1. 防ぎたい不正と、確認方法を整理する

まず、次の4点を整理します。

  • 対象は券、カード、証明書、ラベルなどのどれか。
  • 防ぎたいのはコピー、番号の流用、使い回しなどのどれか。
  • 誰が、どこで、券面のどの部分を確認するか。
  • 正規品の見本や、確認手順を用意できるか。

実物サンプルは、実際の照明の下で、正面・斜めから見て確認します。ラベルの場合は、瓶や容器に貼った状態で、光沢や文字の見え方を確かめることも大切です。

5-2. 印刷会社へ確認したい仕様・見積もり条件

表3. セキュリティ印刷の発注前チェックリスト

確認項目印刷会社へ確認すること
対応方法どの特色・箔に対応し、どの表現を確認要素にできるか
素材・加工範囲用紙や素材、サイズ、加工位置・面積に制約があるか
可変印刷との組み合わせQRコード・番号と、特色・箔をどう配置するか
試作・校正実物サンプルで見分けやすさや読み取りを確認できるか
数量・納期必要数量、増刷予定、データ確定日を踏まえて対応できるか
見積範囲インキ、版、箔、加工、試作などの費用がどこまで含まれるか
納品条件梱包、仕分け、分納などに対応できるか

5-3. 高山印刷の対応内容と相談先

高山印刷では、1枚ごとに異なるシリアル番号を、金または銀の箔で印刷する加工に対応しています。版を作らずにデータから加工するため、100枚から承ります。

連番や乱数などの番号は当社で生成することもでき、重複がないことを確認したうえで、発行リストとあわせて納品します。可変データの印字と箔押し加工は自社の工場で一貫して行うため、番号の過不足などのトラブルを防げます。

特色インキによる偽造防止は、ご相談を承ります。スクラッチ加工には対応していません。仕様が決まる前の段階でも、お問い合わせからお気軽にご相談ください。

よくある質問

特色印刷や箔押しをすれば、偽造を完全に防げますか?

完全に防げるわけではありません。 コピーで再現しにくい色や光沢を加える対策なので、正規品の見本や確認手順を用意し、用途に応じて番号の照合・利用管理と組み合わせることが大切です。

特色印刷と箔押しは、どちらを選べばよいですか?

受け取った人が自分で見分けられるようにしたいなら箔押し、デザインの一部として複製のハードルを少し上げたいなら特色が選択肢です。素材や予算も踏まえ、実物サンプルで見分けやすさを確認しましょう。

箔押しは偽造防止になりますか?

一般的なコピーでは再現しにくい金属光沢を加えるため、安易な複製を難しくする対策になります。ただし、光沢だけで正規品と断定せず、指定した箔の位置や模様を正規品の見本と比較することが大切です。

小ロットの券・カードでも相談できますか?

はい、ご相談いただけます。高山印刷では、版を作らずにデータから箔押しを加工するため、100枚から承ります。

aida_tetsuya

この記事を書いた人

間(あいだ) / 高山印刷(株)東京営業所長

1999年入社時は当時里なMacに触れたくてDTPを担当し、2005年からは東京営業所長。 バリアブル印刷には初代オンデマンド印刷機導入時より20年近く携わっており、専門分野としてあれこれ知識を貯めてお客様に還元しています。